ドット講座「蒼穹のファフナー」ファフナー・ベイバロンモデル編。
@誰も見てないかもしれない第二回です。今回は
・特殊な構図その@
・前回よりも簡単なラフのとり方
・アニメ調の塗り・金属光沢
の紹介です。
今回も、文はオマケ程度に見て頂いた方が参考になるのかもしれません。
また、前回で細かい描写方法は解説しましたので、今回細かい描き方は省略しています。
第二回はジーベック製作のロボアニメ「蒼穹のファフナー」より、
新国連開発の量産型ファフナー、「ファフナー・ベイバロンモデル」です。
Gyaoでなんとなしに見始めたアニメだったのですが、気が付けばサントラにドラマCDに。
ノベルにゲームと、アニメでは判らないストーリーの裏部分をどんどん探してしまいました…。
その位、面白い話だったということで。
サイズは前回と同じ、色数は前回より少々抑えてますが、ゲーム上では16色で処理されています。
@第一工程・ラフ
・メモ帳やノートにラクガキをしてイメージを固めたら、ラフを描きます。
今回は太い部品もなく、細かい部品が折れ曲がりながらくっついていますので、
細かい部品の形状よりもポージングのシルエットをそれらしくする事に気をつけています。
今回の構図は斜め上から見た視点で、片足を上げ、つま先を伸ばして飛び出したようにしています。
前回と異なる点だらけなので一つ一つ説明しますと、
・上から見た構図なので、足に向かうに従って気持ち部品を小さく描いています。
・足を上げた絵ですので、パースの基準をカカトではなく肩にしています。
この際は遠くの部品をやや下に配置します。
(基本的には遠くの部品ほど機体の腰または地平線に向って移動して見えますので、それを意識します)
・つま先を伸ばしていますので、固定のポーズではなく移動している様子を表すために体をひねっています。
の辺りを意識して作成しています。最後の一つはルールではないので必ずしもこうする必要はありませんが、
上の二つは製作の際に意識して作ると上手くいくと思います。
何も持っていない機体のポーズが描けたら、新しいレイヤーを作って武器のラフを描きます。
武器も同じレイヤーに描いてしまうと画面がごちゃごちゃしますので、武器を描かないときは
武器のラフ絵レイヤーは非表示にしてもいいと思います。
武器が描けたら本体のラフの下に新しくレイヤーを作り、線とは違う色で塗りつぶします。
そしてラフの線画と塗りつぶしたレイヤーを重ね、背景色(白)で余分な色を消し、
シルエットを作ります。
この時に機体の「目」にあたる部分や特徴的な部分を目立つように色を抜くなどすると、
これだけでカッコよく……は、見えませんか…。
今回も出来上がったら左右反転して、バランスがおかしくなければ次に移ります。
@第二工程・ボディ作成
・第一工程のラフの色を描き易いように変更したら、新規レイヤーにボディを作成します。
最初に大きく色を置いて陰影で部品の形を作っていくのが一般的なのですが、
うまく行かない場合はシルエットに沿って細かい首元の部品(灰色)を作り、そこを基点に
細かい部品を盛り付けて作成していきます。
そのためのシルエットなのです。
尚、ファフナーはツヤの多いメカなので、メタリックな光沢を細部の至るところに配置しています。
メタリック色の作り方はエッジ立てに似ており、光沢の隣に一段暗い色を配置すると鏡面っぽい表現を得られます。
ボディは一番目立つ部品でもありますので、武器と目のために4、5色余裕をとっておいて
残りはほとんどこの胸部分に色を使っています。
また、首元のディテールは実際はかなり細かいのですが、実際に作成すると
たとえアニメーションしても首元はほとんど見えませんので、陰影部分をちょっと作っているだけです。
ラフでバランスをとっているので最初に頭部を作ってもいいのですが、頭が完成してから
ボディの形状で悩んで放り出してしまうようなこともありますので、最初に頭や手足の位置を
決められる胴体からいつも作るようにしています。
@第三工程・頭部作成
・新規レイヤーを作り、頭部を載せます。
頭部は描いていてボディに埋もれて形がわからなくなったりしますので、
ボディのレイヤーを非表示にしてから描くと作りやすいです。
また、作成の際にはラフで決めておいた「目」の位置を基準に部品のシルエットをベース色でとり、
陰影を載せて作成していきます。
シンプルな頭部や大きい頭部だと新規レイヤーで部品を作ったり描きこみを重視する必要がありますが、
今回は小さいため、目以外の場所は「それっぽく」描きこむ程度に留めています。
あまり細かくしても、完成品を見ると全く違うものに見えたり頭部が予定よりも肥大化するだけですので、
サイズの限界を超えないように、逆に言えばサイズの許す限りは描きこみます。
また、出来上がったらボディを表示して、それで頭部と胸部の境目がわからないようであれば
頭部の胸部に繋がる部分の色を変化させるか、胸部の首に繋がる部分の色を変化させて対応します。
@第四工程・腕部作成(線画作成法)
・ラフに沿って肩と腕を描きこみます。
設定画を見ずにラフを描いたために腕の形状が異なる(ノートゥング・モデルは手首に向かって太く、
ベイバロンモデルは手首に向かって細くなる形状)ので、塗りだけで作ると形が崩れてしまいましたので
線画で形をとって塗っています。
滑らかな形でディテールも少ないので、腕の曲線に沿った影とハイライトを塗ってあっさり仕上げてます。
@第五工程・脚部作成
・脚部は太ももから足首までを線画、膝アーマーや足を塗りで作成しています。
武器や胸部の影になったり、遠近感を出したりなどの理由でボディよりもかなり暗めの色で作成しています。
前回のPTX-40Aと異なるポーズですので、カカトの位置よりも脚の付け根の位置に気をつけています。
@第六工程・武器作成・仕上げ
・最後に武装やバックパック、スタビライザーを作成します。
気を配ったのは手前に表示するルガーランス(銃兼両刃剣)で、メタリックっぽく見えるよう、
斜めの線で光沢を入れたほか、角にエッジ立てを施しています。この時、なるべく光沢のラインは
一直線に見えるように一定間隔でドットを置いていくか、一直線にドットを引いておくと
鏡のような反射っぽくなります。
ちなみに、手首は武器や籠手パーツで隠れるのでほとんど描かずに誤魔化しています。
最後にラフを消して背景を透過に設定して保存したら完成です。
@おまけ
・今回の色パレットです。
左から背景・ラフ・本体・間接(武器)、目となっています。
ラフの部分は後でパレット整理で消しているので、使用色数は14色です。
最初にラフを組み込んだ状態で絵を描いて16色縛りにしてますので、自然と色数を抑えることが出来ます。
昔のドット絵は2色とか8色とかでもっと凄い表現が可能だったわけですから、当時の職人はステキだったんだなぁ…と。
最近の携帯ゲームだとアニメするもので16色、バストアップ等で32色が主流ですねぇ。
据え置きゲームやアーケードだとアニメで32色、背景で256色、その他は256〜24万色以上ですね。
32色以降はドット絵じゃなくてイラストやハードの能力をフルに使った3Dですけど。